2020年アジアのゲーム市場トレンド
Niko Partnersは、2020年のアジアのゲーム市場を決定づけた重要なデータを公開した。中国では原神とTencent、インドと東南アジアはeスポーツの爆発的ヒットがトレンドを牽引した。
Niko Partnersは、2020年のアジアのゲーム市場を決定づけた重要なデータを公開した。中国では原神とTencent、インドと東南アジアはeスポーツの爆発的ヒットがトレンドを牽引した。
1. 原神の成功
原神は2020年で最も成功したタイトルだが、特に中国市場で驚異的な成長を記録した。ファンコミュニティの中心はbilibiliで、2020年12月1日に新キャラクターが追加された際は4000人のストリーマーがゲームを配信し、950万人が視聴した。
2. Tencentの積極的投資
Tencentは2020年に31件もの投資・買収を締結した。
2020年にTencentが行った出資・買収取引
- プラチナゲームズの株式を取得(金額非公開)
- ノルウェーのFuncomを1.48億ドルで買収
- bilibiliの出資比率を18%に引き上げ
- ドイツのディベロッパー Yagerの株式を取得(金額非公開)
- RobloxのシリーズG資金調達ラウンドに参加
- Marvelousの株式20%を6500万ドルで取得
- 中国のFanPassの株式31.25%を7万ドルで取得
- 中国を拠点とするFanPassの株式31.25%を7万ドル強で取得
- フランスのVoodooの株式を取得(金額非公開)
- 中国 Century Huatongの出資比率を3090万ドルで5%に引き上げ
- 中国の動画配信サービス HuyaとDouyuの合併に8.1億ドルを投資
- 中国のディベロッパー Leyou Technologyを15億ドルで買収
- 中国のYunchang Gameの株式10%を取得(金額非公開)
- 中国のクラウドゲーミング事業者 51iasの株式21.75%を取得(金額非公開)
- 中国のディベロッパー Ziyue Gegeの株式を取得(金額非公開)
- スウェーデンのディベロッパー 10 Chambersの過半数株式を取得(金額非公開)
- 中国のeスポーツ企業VSPNのシリーズB資金調達ラウンドに参加
- 中国のディベロッパー Narx Gamesの株式20%を取得(金額非公開)
- 中国のディベロッパー First Funの株式10.7%を取得(金額非公開)
- 中国のディベロッパー Nuanyu Technologyの株式20%を取得(金額非公開)
- イギリスのLockwood Publishingに2500万ドルを出資
- 中国のディベロッパー Wizard Gamesの株式を取得(金額非公開)
- 中国のNote7Gの株式30%を取得(金額非公開)
- 中国のディベロッパー 网元圣唐: Wangyuan ShengTangの株式20%を取得(金額非公開)
- China's Fruits Gameの株式7.5%を690万ドルで取得
- Xinghe Interactiveの株式20%を取得(金額非公開)
- 中国のディベロッパー TiGamesの株式39%を取得(金額非公開)
- 中国のTRPG制作会社 APG Gamesの株式10%を取得(金額非公開)
- 中国のDream Game Studioの株式19.25%を取得(金額非公開)
- 中国のShadow Moon Techの株式14.5%をで取得(金額非公開)
- 中国のCapstone Gamesの株式を取得(金額非公開)
- 中国のディベロッパー Giraffe Gameへの出資比率を6%に引き上げ
3. インドによる中国モバイルゲームの禁止
インドの電子情報技術省(MEIT)は、国家安全保障上の理由から中国系企業が運営するアプリ 220件の利用を禁止した。規制対象のアプリには46のモバイルゲームが含まれ、インドで二大タイトルとなった PUBG MobileとMobile Legends(Moonton)がプレイできなくなってしまった。中国モバイルゲームの規制は、インドのeスポーツ分野やインフルエンサーにとって大きなマイナスとなった。
インドで禁止された中国モバイルゲーム一覧
- Mobile Legends
- Clash of Kings
- Hago Play
- Cyber Hunter
- Cyber Hunter Lite
- Knives Out(荒野行動)
- Super Mecha Champions
- Life After
- Dawn of Isles
- Ludo World
- Chess Rush
- PUBG Mobile
- PUBG Mobile Lite
- Rise of Kingdoms
- Art of Conquest
- Dank Tanks
- Warpath
- Game of Sultans
- Carrom Friends
- Ludo All Star
- Bike Racing
- Dangers of Oblivion
- Road of Kings
- Murderous Pursuits
- Fighting Landlords
- Chief Almighty
- Marvel Super War
- AFK Arena
- Creative Destruction
- Crusaders of Light
- Mafia City
- Onmyoji(陰陽師)
- Ride Out Heroes
- A Dream of Jianghu
- Legend: Rising
- Arena of Valor
- Soul Hunter
- Rules of Survival
- Identity V(第五人格)
- Isoland 2
- BoxStar
- Heroes Evolved
- Happy fish
- Jellipop Match
- Munchkin Match
- Conquista Online Ⅱ
4. 東南アジアにおけるモバイルeスポーツの爆発的ヒット
新型コロナウイルス感染拡大の影響でeスポーツ大会の多くがキャンセルか縮小、オンライン開催に変更を余儀なくされる中、東南アジアではモバイルゲームの大会の開催数が21%増加した。メインストリームはバトルロイヤルとMOBAで、Mobile Legends: Bang BangやPUBG Mobileが人気だ。
下のグラフは2018年から2020年の間に東南アジア6ヶ国で開催された大会の数を示している。特にインドネシアとマレーシアはeスポーツ大会の中心地となっていることがわかる。