モバイルゲーム開発の概況レポート
リサーチ会社Atomik Researchは、アメリカ、スペイン、フランスのモバイルゲーム開発者454人を対象に調査を実施し、そのレポートを公開した。レポートによれば、ゲーム開発者の67%が雇用が不安定だと感じていることがわかった。
リサーチ会社Atomik Researchは、アメリカ、スペイン、フランスのモバイルゲーム開発者454人を対象に調査を実施し、そのレポートを公開した。レポートによれば、ゲーム開発者の67%が雇用が不安定だと感じていることがわかった。
調査概要
- 調査対象
- 最低5年以上の経験を持つモバイルゲーム開発者454人。内訳はアメリカ人が152人、スペイン人が151人、フランス人が151人。
- 調査対象者の70%が、従業員50人以上のゲーム会社で勤務している。
- 調査方法
- 調査者:Atomik Research
- 実施方法:オンライン調査
- 調査時期:2024年6月4日~10日
- マーケティングリサーチ協会の有資格者が調査を実施
開発状況
- モバイルゲーム開発者の80%が新規タイトルの開発に従事している。
- 開発プロジェクトの進捗状況については、プロトタイプのテスト中が47%、テストマーケティングで良好な結果を出した段階が27%、実施にローンチした段階は7%だった。
- 現在開発中のモバイルゲームをジャンル別に見ると、スポーツ、カジノ、ストラテジー、シューター、カーレース、パズルが多く、ハイパーカジュアルゲームは13%と少なかった。
- ハイパーカジュアルは大幅に衰退したが、その知見を生かしたハイブリッドカジュアルの開発が活発化している。
- モバイルゲーム開発者の19%は新規タイトルの開発に従事せず、既存タイトルの運営に携わっている。
雇用問題
- モバイルゲーム開発者の半数がレイオフの波は落ち着いたと考えている。一方、今後も大規模なレイオフが実施されると考える人も同程度おり、意見が割れた。
- レイオフの原因について尋ねると、44%が過剰雇用やマネジメント不足が招いた結果だと回答した。一方、56%の人は市場動向に対する妥当な対応だと回答している。
- モバイルゲーム開発者の67%が雇用に懸念を抱いている。
- モバイルゲーム開発者の労働組合結成については60%が肯定的な態度を示した。
資金調達
- モバイルゲーム開発者の83%が、開発またはマーケティングのための資金を外部から調達している。
- 調達先は、投資会社による調達が31%、パブリッシャーからの資金援助が27%、借り入れまたはローンが25%だった。
- 資金調達のタイミングは、開発中が35%、開発前が28%、コンセプト段階が27%となった。
パブリッシャーに対する期待と懸念
- パブリッシャーが価値のある支援を提供してくれていると思う、と回答したモバイルゲーム開発者は34%に留まった。
- パブリッシャーのパフォーマンスに対するモバイルゲーム開発者の評価は10点満点で平均7.7点だった。
- パブリッシャーによる支援の中で、モバイルゲーム開発者が最も役に立ったと思うものはマーケティング支援(25%)で、次いで、プロダクト設計に関する戦略的アドバイス(20%)、資金提供(19%)となった。
- パブリッシャーによる支援の中で、モバイルゲーム開発者が最も役に立たなかったと思うことは、ローカライズおよびカルチャライズだった。
- パブリッシャーとのパートナーシップについて、モバイルゲーム開発者がリスクだと考える点は、契約条件の合意(20%)、クリエイティブコントロールの喪失(18%)、パブリッシャーを見つけること(16%)、収益分配の譲渡(16%)だった。
- モバイルゲーム開発者がパブリッシャーを選定する際に最も重要視している点は契約条件(39%)だった。次いで、組織規模が35%、評判と実績が32%、財務資源が31%だった。
新技術に対する姿勢
- モバイルゲーム開発者の90%が、PCやコンソールゲームのようにAAAレベルのゲームをモバイル端末でプレイできるようになることが将来的に重要になると回答した。
- モバイルゲーム開発者の84%が開発業務にAIを活用しており、その内38%がAIを中核的な技術だと評価している。
- モバイルゲーム開発者はブロックチェーン技術の将来性を評価しているものの、66%はブロックチェーン技術をゲーム開発に使用していない。