2021年モバイル市場のトレンド予測
市場調査サービスのNewzooが今年のモバイル市場について5つのトレンド予測を発表した。IDFAの制限、原神の世界的ヒットなどで市場が大きく変化した今、おさえるべきポイントをまとめた。
市場調査サービスのNewzooが今年のモバイル市場について5つのトレンド予測を発表した。
1. IDFAの制限がモバイルマーケティングを変化させる可能性がある
IDFAの制限により、マーケターはターゲティング広告の手法を再考する必要に迫られるだろう。近い将来、AndroidやWebなど他のチャネルにも影響を及ぼすかもしれない。
2. 5Gの普及が加速する
2021年末までに全世界で利用されているスマートフォンの内、16%(約7億台)が5Gに対応すると予測されている。さらに2023年までには43%(約21億台)に達する見込みだ。5Gの展開がクラウドゲーミングの普及を後押しするだろう。
3. 原神以後、モバイルでのAAA体験が主流になる
原神の成功はモバイルゲーム市場にパラダイムシフトをもたらした。今年も中国のディベロッパーから同様のAAA級タイトルがリリースされるはずだ。これまでのモバイルゲームでは考えらないほど高品質なゲーム体験をモバイル、コンソール、PCのマルチプラットフォームで展開する戦略が主流になる。前項の5Gネットワークの普及もこの動向に拍車をかけることになるだろう。
4. モバイルゲームの配信形態が変化する
Epic GamesとAppleの紛争からもわかるように、ゲームパブリッシャーがアプリストアに支配される時代は終わりつつある。モバイルゲームのディストリビューションはApp StoreとGoogle Playだけが選択肢ではないのだ。
5. より多くのIPがモバイルゲームとして登場し、モバイルゲーム発のIPがゲームの枠を超えて拡大する
現在、アプリストアでは230以上のIPタイトルが配信されているという。
欧米市場ではMarvel Contest of Championsがヒットしたのに加え、Activision BlizzardのDiablo Immortal、Riot GamesのLeague of Legends: Wild Riftがリリースされ、有名IPをベースとしたタイトルが次々と成功を収めた。一方、中国でもTencent、Yoozoo Games、Perfect Worldなどが精力的にIP強化に取り組んでいる。たとえば、TencentはHonor of Kings(王者栄耀)のキャラクターをフィーチャーしたバーチャルアイドルグループ Infinite Kingsを生み出し、Weiboで230万人以上のフォロワーを集めた。Infinite KingsはM.A.C.などの有名化粧品ブランドのマーケティングにも起用され、インフルエンサー顔負けの活躍ぶりだ。
IDFAの規制強化でターゲティング広告によるユーザー獲得が難しくなる中、IPの強化はより重要性を増している。IPの認知度でマスに訴求し、ユーザーを獲得することができるからだ。IPホルダーとゲームパブリッシャー、双方の連携でどれだけ収益を最大化できるかが、今後の課題となるだろう。
Source: https://newzoo.com/resources/blog/newzoos-mobile-trends-to-watch-in-2021